64歳は「第二の青春」!、そして「最後の青春」かも?
著者:榊原正幸 出版社:PHPビジネス新書 2022年3月29日第1版 定価970円(税別)
著者は、経済学部の元教授です。
この本が、巷に溢れている「定年本」とは異なる点は、下記の3点です。
⑴60歳で再雇用などを選択しないで、リタイアすることを勧めている。
⑵「いくつまで生きても安心」が真の安心で、そのための処方箋(株式投資による資産運用)を具体的に提示している。
⑶60歳のリタイアまでに大きな決断を要することがない。もちろん、はやりのFIREも指南しない。資産運用の元手を大きくするためなら、早期退職をせずにしのぐなど、現実的である。
但し、この本に共感はできても、著者の展開する方法にしたがって実行できる人は限定されます。
・50歳前後で、十分な資産運用の元手がある人
・35歳未満で、これから資産運用の元手を増やすことができる人
35〜50歳前後の人は、働き盛りで仕事が忙しく、生活費や教育費などの負担が増え、経済的にも時間的にも最も余裕がない時期にあたるため、本書はあまり参考にはならないと思います。
僕が最も共感したのは、著者曰く、60代が「第二の青春」であり、「60歳は若いけれど、それほど若くない」と述べている点です。
僕も60代は、恐らく『最後の青春』になるのではないかと思っています。やや悲観的かもしれませんが、人生後半の絶頂期があるなら60代だと思っています。
さて、この本の僕にとっての総合評価(読んで良かったか度)は、★★★★☆(4/5点)です。
著者の榊原正幸氏と僕の年齢が近いこと、著者自身の体験に基づくもので説得力があることが高評価になりました。
一方、難点は、リタイヤ時点で資産運用の元手が1億円以上は欲しいと考えている点です。それだけ元手を蓄えられる人はかなり少ない。
もちろん僕にもそんなにお金はありませんが、リタイヤ時点で資産運用の元手が、例えば3000万円程度でも、著者の考え方は十分に利用できると思いました。
特に、最近はいろいろな理由で経済の先行きが見通しにくくなっています。1年くらい前には米国株が大人気でしたが、今は誰もそんなことを言わなくなりました。株式投資においては、難しい局面がしばらく続くと、僕自身かなり慎重になっています。
そんな中で、高配当の国内株だけは継続中です。ここが著者の考えと同じで、60代半ばの落ち着きを求めたい年代には、配当金収入、つまりインカムゲイン狙いを基本とする資産運用(あわよくばキャピタルゲインも)、それも為替の影響を受けない国内優良株が、ベストではないかと考えています。
自分ではコントロールできない国際・国内の情勢、経済環境などにも余裕をもって対応したいと思います。そのためにも著者榊原正幸氏のいう「お金と時間」が自由であることが、るんるんリタイヤめんとでも基本になります。
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