ひろゆきさんという人
ひろゆき(本名:西村博之)さんの本を読みました。
ひろゆきさんは、匿名掲示板「2チャンネル」の開設者として有名ですが、実業家、論客などと紹介されています。最近はテレビで目にすることも多くなっていました。
たまたま本屋で、ひろゆきさんの本を立ち読みしました。テレビで見る自由人のイメージとは異なり、45歳という歳の割には、堅実な考えの持ち主であることがわかりました。
「1%の努力」という本を買ってみました。
ひろゆきさんの45歳といえば、まさに就職氷河期世代ですが、同世代の悩める人たちに「本当のことを伝えよう、その上で上手に生き抜いていこう!」と、わかりやすい言葉で語りかけてくれます。
たとえば、
・学業成績は親からの遺伝が60%影響する。人生のスタート地点の違いで圧倒的な差があるときに、努力で埋めることは難しい。『それでも変えられる部分』を見つける。”1%の努力”で変えられるのはどこか?
・10年後、窓口をたくさん作る銀行と、ネットバンキングの充実とコンビニATM可能の銀行のどちらがうまくいっているか。こんな簡単な問題も高齢者は間違える。年寄りは逃げ切ってしまうから、どうでもいいが、高齢者のせいで損をするのは若者だ!
こんな感じで、ひろゆきさんは、小気味良く読み手に元気をくれます。
さて、僕がこの本の中で、もっとも心に響いた話を抜き出してみます。
僕が一番、心に響いた話
逸話「この壺は満杯か?」
教授:(大きな石や岩が入った)この壺は満杯か?
生徒:はい
教授:バケツいっぱいの砂利を入れ、壺を振る。この壺は満杯か?
生徒:違う
教授:砂を入れる。この壺は満杯か?
生徒:違う
教授:水を入れる。この壺は満杯か?
生徒:違う
教授:僕は何が言いたいかわかるか?
生徒:最大限の努力をすれば予定を詰め込むことは可能だということです
教授:それは違う。大きな岩を先に入れない限り、それが入る余地はその後二度とないということ。君たちにとって「大きな岩」とは何だろう。君たちにとって一番大事なものだ。さもないとそれを永遠に失うことになる。
例えば、食事、海外旅行、子どもとの時間
この話のキモは「優先順位」です。「自分にとっての大きな岩はなんだろう」と考えさせてくれます。
この壺の話しを既に実践できている賢い若者達も多くいると思います。一方で、親や親世代の教訓めいた作り話に取り憑かれ、前に進めないでいる若者達もいます。
いや、僕も含めて若者達に限らない。年齢は関係ないですね。
「死ぬまでの幸せの総量」を増やす
この本のテーマは、「死ぬまでの幸せの総量」を増やすことにあります。
ひろゆきさんの本を読んでいると、子供の頃、気の良い親戚や近所のおっちゃん、おばちゃんが、上手に世渡りする方法や世間や人間の怖さなど、生きていく上で本当に大切なことを教えてくれていた懐かしい光景を思い起こさせます。
次に「死ぬまでの幸せの総量」を増やすために、視点を変えて語られているひろゆきさんの名言の数々を紹介します。
・必要なのはお金や時間ではない。「思考」だった。
・「工夫」を取り入れ、「やり方」を変えられるか。
・いくら世間体のいい銀行勤めでも、あなたが優秀で努力家だとしても、日本全体の銀行が少なくなっていく波には逆らえない。自分の力ではどうにもならないことがある。
・高い財布を買うと金持ちになるのではない。逆だ。因果関係の理解を間違えると人は不幸になる。
・バッドエンディングで終わる映画「ポセイドン・アドベンチャー」に衝撃を受けた。期待を裏切る展開やレールを外れる人生が好きになった。
・「自分の仕事を囲い込む人」はどこにもいる。弱者には弱者の生存方法がある。守りに入る人を攻撃したい気持ちはわかるが、それに気を取られて消耗している場合ではない。
・自分の人生は自分で守る。
・プライドを守るのが強者なら、権利を守るのが弱者。
・チャンスは突然やってくるもの。本を読んで知識を蓄えたり、人脈を広げたり、情報のアンテナを張ったりすることは努力でできる。チャンスが訪れる可能性を高めること。「チャンスの女神の前髪」。片手はあけておこう!チャンスは一瞬だ。「努力で解決しよう!」は、常に両手が塞がっていてチャンスを掴めない。
・自分のゴールと自分がやりたくないことをハッキリさせて、毎日を楽しく暮らした方がいい。
・電話応対のバイトで学んだこと。「世の中には会話が成立しない人がいる」
・上司がいる前では、頑張っているフリをする。
・自分にとっては何がストレス?「言い返す方がストレス」か「言い返さない方がストレス」か?老いるかどうかはストレスの具合による。
・自分にとって大事なことは自分で決めた。
・「競争の要らないところに張る」儲かっていなさそうで誰もやっていないところにこそ、チャンスが転がっていたりする
・「自分にしかないもの」「他の人があまり考えないこと」という武器で勝ったら気持ちいい。
・アイデアをアイデアで終わらせないためには、実行できるレベルまで落として考えたり、必要なスキルは何かを考える。
・「やりたい」より「できる」から始める。その後「やりたい」に徐々に近づいていく。
・自分は性善説。だから「やられた時だけ、やり返す」
・現場レベルの仕事ができない人がいくら「いいこと」を言っても、誰も動いてはくれない。
・『肉屋を応援する豚』の話。いつか自分が殺されてしまう豚が、肉屋の営業を心配し、最後には屠畜される。自分は「聞き分けのいい豚になっていないか?!」
・自分の持っている能力や機能をどこのポジションに持っていけば、シンプルに楽しいか?気持ちが良いか?
自分の考えと近い部分、はっと気付かされるところ等、あっと言う間に読めてしまいます。平易な言葉ですんなり頭に入ってきます。「そうだよな」と得心できるところが随所にでてきます。あらためて、ひろゆきさんの自分の考えを言葉に変える力に感心しました。
どうでしょう?!るんるんリタイアめんとの僕ら世代にも学ぶところが多い本だと思います。ちなみに「1%の努力」を読んだあと、立て続けにさらに5冊読みました。どれも良い本です。すっきりしますよ!
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